ヴィシュヌ

ヴィシュヌとは?どんな神様?インド神話の最高神の一人、男前のヴィシュヌの説明です。三大神の中で、最も偉大な神様とされています。

ヴィシュヌのお顔。

ヴィシュヌとは

ヴィシュヌ神はシヴァ神ガネーシャの父)、ブラフマ神をあわせた三人の神様で最高神(三大神)と言われています。

愛し合うヴィシュヌとラクシュミー

シヴァがこの世を破壊し創造するのに対しヴィシュヌはこの世を維持する神様といわれています。妻はお金の神様で三大美女神「美と富の女神・ラクシュミー(吉祥天)」です。
ヴィシュヌが若く男前といわれていてイラストや、置物などでも若く美男子で表現される事が多いです。

ビシュヌの持ち物

ヴィシュヌの持ち物は、主に、棍棒(知力の象徴)、ほら貝(存在の根源を表す)車輪、円盤又はチャクラ(創造と破壊の力)、蓮華(太陽や、ヴィシュヌのへそから生えている生命の木を表す)などがあります。

棍棒を持つヴィシュヌ台座は乳海

チャクラは「スダルサナ」とも呼ばれ、万物を断ち切る程の威力を持ち、一切の無知を破る宇宙神の偉大な力の象徴といわれています。

※シヴァ神の元の妻「サティー」が死に、シヴァがこの世を破壊してた時、チャクラでサティーをバラバラにしシヴァを我に返らせたという伝説もあります。

ビシュヌの住所・乗り物

メール山の中心にあるヴァイクンタに住んでいます。ヴァーハナ(乗り物)はガルダと呼ばれる鳥の王で、鷲のような姿をして描かれたり、鷲と人を合わせた姿で描かれます。

ビシュヌの有名伝説

ヴィシュヌ派の創世神話では、宇宙が出来る前にヴィシュヌは竜王アナンタの上に横になって、ヴィシュヌのへそから、蓮の花が伸びて行き、そこに創造神ブラフマが生まれ、ブラフマーの額からシヴァが生まれたとされています。

ヴィシュヌとラクシュミーの融合した珍しい置物

リグ・ヴェーダにも世界を3歩で歩いて破壊する神とされています。名前の意味は、はサンスクリットで「広がる」「行き渡る」を意味します。

また世界の果てまで届く太陽光線の神格化であったと考えられます。そのため後には太陽神アーディティヤの1人ともされています。

リグ・ヴェーダでは、そんなに重要な神様では無かったという説もあります。当時の神話も、少数の讃歌を除けば、主要神インドラが悪と闘う際の友達の一人として伝えられるくらいです。
その後の時代になって大人気!!ブラフマー、シヴァと共に三神一体(トリムールティ)の最高神になりました!インド神話はゴチャゴチャで諸説あります…

ビシュヌの昼寝

ヴィシュヌの昼寝はすごいです。時間が半端でないですよ!ある説では 昼寝して起きると次の化身に変わるといわれています。

神々の時間の単位
人間の時間
1マハーユガ クリタ・ユガ 172万8000年
トレータ・ユガ 129万6000年
ドゥーパラ・ユガ 86万4000年
カリ・ユガ 43万2000年
1カルパ 1000マハーユガ 43億2000万年
ブラフマの一昼夜 2カルパ 86億4000万年
ヴィシュヌの一昼日 ブラフマの100年 311兆400億年

神様と人間を 比べるのも、おかしいですが…ヴィシュヌ、311兆て!
ものすごく、ややこしいですが、

  • 1マハーユガ=4ユガ
  • 1000マハーユガ(43億2000万年)=1カルパ
ブラフマの寿命は、神様年齢で100年(311兆400億年)らしいです。その時間が、ヴィシュヌの1昼日らしいです。
テキトーな数字ちゃうの?とか思うかも知れないですが「0」の概念を創造したインド人ですから緻密な計算がされてこの数字が出たと思います。

一番偉い神様はヴィシュヌ?

ある時、7大聖仙(世界最古の聖典「ヴェーダ」を始めて明かされた人たち。)が集まって
「 シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマの誰が一番偉い?」と話してたのですが、結局答えがでなくて…(なんで、神様なのにエライ事にこだわるのかな?)ブリグという偉い聖仙が直接会って決める事にしました。

ブラフマはヴェーダの保管者で「オレってすごいっす。ヴェーダ持ってるしスゴイえらい人ですよ。」とテングになってたのか?聖仙ブリグが来ても挨拶もせず結果は「×」

シヴァはパールヴァティーと愛し合ってたんです(シャクティー)。 聖仙も終わるの待って話しようと思ってたのですが、何百年たっても終わらないんで帰ったらしいです。モチロン結果は「×」

ヴィシュヌは昼寝をしてたのですが(いつも寝てます)。何百年たっても起きないので腹が立ったブリグはヴィシュヌを思いっきり蹴飛ばします。ようやく目覚めたヴィシュヌ「足ケガしてませんか?」と(ホント、優しいですね)
それを聞いた聖仙ブリグは感激して「一番偉いのヴィシュヌ!」と決めちゃいました。(単純です。)

やっぱり偉い神様ビシュヌ神の話

その他、乳海撹拌(にゅうかいかくはん)といって、全ての神々と悪神(悪魔でない)が協力して「不老不死の聖水」アムリタを創るときの指揮をしています。
このときに、ラクシュミーが産まれ、ラクシュミーがヴィシュヌの元に行き結婚します。神々、悪神はみんな嫉妬!!
ちなみに、神々はその不老不死の聖水を飲んだのですが、悪神(一応神様)は飲んでないそうです( ; o ; ) 
まだまだあるのですが…とにかくヴィシュヌってスゴイしエライんです!

ヴィシュヌの小さい置物

ビシュヌ神の最大の特徴

やはりヴィシュヌの特徴で最も有名なものは、アバター(化身)です。10の姿に化身し、それぞれの化身にそれぞれの神話があります。
三神一体論(又は、三神一座(トゥァ、トリムリティー)では、3つの最高神の1つで世界を維持する役目があるとされます。

ヴィシュヌのアバター(化身)

ヴィシュヌは、アバターと呼ばれる10の姿に変身して地上に現れるといわれています。 特にクリシュナ、ラーマなどが有名で人気です。クリシュナは叙事詩「マハーバーラタ」で、ラーマは叙事詩「ラーマーヤナ」の物語で活躍する神様です。

また、仏教の開祖ブッダ(仏陀)もヒンドゥー教ではヴィシュヌのアバターとされていますが、ブッダが有名なのでブッダもヴィシュヌの化身にしてしちゃった!という逸話もあります(^_^)

ヴィシュヌのアバター(化身)の詳しい説明です

10に化身するヴィシュヌ神のそれぞれの名前と説明です。

ラーマ

抒情詩「ラーマーヤーナ」の主人公で、ラーマ王子の活躍する物語。魔王ラーヴァナと戦う話です。ハヌマーンという「猿の王様」がでてきます。奥さんは「シータ」といいます。

クリシュナ(人気でモテモテ神様)

叙事詩 「マハーバーラタ」の英雄。特にその挿話バガヴァッド・ギーターで活躍。恋人ラーダやイタズラ好きな神様。妻の数は1万6千人、子供は無限と言われています…ヴィシュヌの唯一の完全な化身と言われています。

マツヤ (魚)

大洪水の時に賢者(けんじゃ)マヌの前に現われ7日後の大洪水を預言し、船にあらゆる種子と7人の聖者を乗せるよう言った。

クールマ (亀)

神々が不死の霊水アムリタを海から取り出そうとした時、亀の姿になって現われて作業を助けた。

ヴァラーハ (猪)

大地が水の底に沈められようとしたときに、猪の姿で現われ大地をその牙で支えた。

ヌリシンハ (ライオン男)

半人半獅子の姿で悪魔ヒラニヤカシプを退治した。

ヴァーマナ・矮人(わいじん)

悪神バリによって世界が支配されたときに現われ、バリと3歩歩いた広さの土地を譲り受ける約束をした後、巨大化し世界を2歩で歩き、3歩目でバリを踏みつけた。

パラシュラーマ (斧を持つラーマ)

クシャトリャ族が世界を支配した時、神々、ブラフマン、人を救った。

ゴータマ・ブッダ (仏陀)

偉大なるヴェーダ聖典をアスラから遠ざける為に、あえて偽の宗教である仏教を広めた(バーガヴァタ・プラーナ)
↑仏教寺院にヒンドゥー教徒は入れますが、ヒンドゥーの寺院に仏教徒は入れない場合があるそうです( ; o ; )ブッダは本当はスゴイ神様ですよ!

カルキ (時間)

救世主 カリ・ユガ(世界が崩れて行く最悪時代)の最後、世界の秩序が完全に失われた時代に現れて悪から世界を救い、新しい時代(ユガ)を始める。 黄金期はクリタ・ユガといわれます。

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インド神様の説明一覧です
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