シヴァとは

シヴァ神の説明です。シヴァとは誰?という方、スゴイ神様です!インド神様の最高神(三大神)で最も強い!とされるれています!この世を破壊し更に、新しい世界を創ります。様々な伝説や神話をもつ最高のインド神話の神様です!

シヴァ神の置物
超リアルなシヴァ神の置物

三大神(最高神)としてのシヴァ

シヴァとはヴィシュヌブラフマとあわせて、最高神(三大神)の主神というメチャクチャ 偉くて人気の神様です。シヴァは、この世の「破壊神」であり「創造神」とされています。
息子に、ゾウの顔をした ガネーシャ(日本の大聖歓喜天)、カールティーケーヤ(韋駄天)、妻は美しくて怖い?パールヴァティです。

左からブラフマ、ヴィシュヌ、シヴァ
左からブラフマ、ヴィシュヌ、シヴァ
※神様の順序は様々です。上の絵の中央はヴィシュヌですがシヴァ神やヴィシュヌが中央になる場合もあります(イラストや置物など)。

ダンシングシヴァ(ナタラージャ)

シヴァで有名なのが、なんと言ってもダンシング・シヴァ(ナタラージャ)です。シヴァは舞踏の神様としても有名で、ダンサーにとても人気があります。

シヴァのダンスが終わると この世が終わるとも言われます。この時に手に持った太鼓のリズムでダンス(創造)し、もう一方の手に持った火でこの世を破壊するといわれています。

シヴァのダンスでこの世を破壊し再生します
シヴァのダンスでこの世を破壊し再生します。シヴァ神の下にいるのは悪魔

カイラーサ山の修行者としてのシヴァ

ヒマラヤ地方のカイラーサ山で瞑想、修行をしている行為が世界を存続させていると信じられています。この修行の場面に出てくるのが、聖牛ナンディ、コブラ、トラの皮です。

カイラーサ山で修行するシヴァ神
カイラーサ山で修行するシヴァ神。虎の皮を下に敷き蛇の首輪をしています。

シヴァが余りにも強いので「やっつけちゃおう!」とたくらんだ聖仙がトラに襲わせるのですがシヴァは爪で引っかいて皮をはぎ、ストールにしてしまいます。
ダメだ!と次はコブラで襲わせますが、サクッと蛇のネックレスとベルトを作りました(ガネーシャもお腹に蛇のベルトをしています)。聖仙とは賢者。偉い人です。このカイラーサ山での修行に関しては様々な言い伝えがあります。

色んな解釈があるインド神話の理由

シヴァが修行した理由

  1. パールヴァティーの前の妻に「サティー」がいたのですが、サティーのお父さん(ダクシャ)や聖仙にも相手にされずシヴァは認められようとカイラーサ山で修行した。
  2. サティーの父がシヴァを認めなかったため、 サティが焼身自殺します。あまりの悲しさと怒りでにサティーの亡骸を抱き旅に出て街中を破壊します。
    それ を見かねたヴィシュヌが円盤(チャクラ)でサティーを粉々にし、シヴァはようやく正気にかえります。
    ※この時のサティーの断片が落ちた場所は全て聖地となり、その断片は女神になったためシヴァは無数の妻がいると言われています。その中のヒマラヤの女神パールヴァティーがサティーの生まれ変わりとされています。そのパールヴァティーをシヴァは、妻と認めなかったためパールヴァティーは認めてもらうため修行をします。苦行を乗り越えたパールヴァティーを妻と認め一緒に修行をします。
  3. 妻パールヴァティーと喧嘩し息子たちと一緒に家を出て行った為、反省して修行した。喧嘩の原因はメシが粗末だったんで(シヴァは貧乏だったのでしょうがないんですが…)コレおもしろいですね(^_^)
この後、シヴァとパールヴァティはケンカをしたものの、やはり夫婦ですからお互い会いたいのですが意地の張り合い。仲裁に入った仙神のおかげで仲直りした瞬間にお互いを強く抱きしめたため、くっついて「アルダナーリーシュヴァラ」( シャンカーラ・パールヴァティ)になったといわれています。※この話も諸説あります。

アルダナーリーシュヴァラの置物
シヴァとパールヴァティが合体したアルダナーリーシュヴァラの置物。シャンカーラパールヴァティとも言われます。左半分がシヴァ神で右半分がパールヴァティというとても珍しい置物です。
※また、この置物についても詳しく説明します。

シヴァの持ち物や乗り物

持ち物はタイコ、炎、頭に三日月(人間の生命の意味)、三叉戟(さんさげき・トリシューラやシヴァフォークと呼ばれます。)三叉戟はガネーシャやシヴァファミリーのオデコに描かれます。

シヴァのオデコには白い三本の線(破壊、創造、現世)と第3の目があり、体にはヘビをネックレスやベルトにし、トラの毛皮をまとったり、敷物として使ってます。修行者の時は体中に灰を塗っています(禁欲主義の象徴)。修行中や妻のパールヴァティーとの絵には乗り物の聖牛「ナンディー」が描かれます。

聖牛ナンディーの置物
聖牛ナンディーの置物(インド製)。ヒンドゥー教徒は牛肉を食べない。

シヴァの象徴はリンガ

リンガ(男性器)はシヴァの象徴として崇拝されます。「シヴァ=リンガ」という考えもあります。女性器はヨーニと呼ばれヨーニの台座の上にリンガが立って表現される事が多いです。

リンガとヨーニ
リンガとヨーニ。男性原理とお女性原理が融合したものとされています。

リンガにシヴァの顔が描かれる場合はムカ・リンガと呼ばれます。

リンガにシヴァの頭がついたものをムカリンガと言われます
リンガにシヴァの頭がついたものをムカリンガと言われます。台座部分がヨーニ。女性を表しています。

なんでシヴァの象徴はリンガ?

シヴァは破壊と創造の神様ですから「生と死」に大きくかかわる神様です。その象徴といえば「ち●ち●」。
ある時、ブラフマとヴィシュヌのどっちが強いか(宇宙の創造者はドッチ?)と口論してた時の事。

火を放つ大きな棒が突然表れ下は水中奥深く、上は果てしなく天にあり先が見えないので2人は「なんだこの棒は?」となり、
「この棒の果てを見たほうが偉いという事にしよう!」と決めブラフマは白鳥に乗って上に、ヴィシュヌはイノシシに乗って水中に行きました。(一応、この2人メチャクチャ偉い神様ですよ!最高神の一人ですから!)結局、ビシュヌ、ブラフマの2神とも「棒の果て」を見つけることができませんでした。

すると、いきなり大きな棒からシヴァが出てきたのですが、その棒というのが実はシヴァのリンガ(ち●ち●)だったという事で、この件以来リンガはシヴァの象徴となりました。(西遊記の孫悟空でお釈迦様の手のひらで似た話がありますね。インド神話で孫悟空の元はハヌマーンという神様とされてます。

ハヌマーン
ハヌマーンの置物。猿の顔押した神様です。ヴィシュヌの物語や乳海撹拌でメール山を抑えるインドでは大切な神様です。

一番強い神様はシヴァ?(もうひとつの説)

ある時、ブラフマとヴィシュヌはどちらが強いか口論をしていた時のこと。口論が最高潮に達した時にものすごい「棒」が現れたのです(※ここまで同じ)。

その棒は、男根の形をしたシヴァの象徴である「リンガ」です。そのリンガが、炎の王冠をつけて宇宙の大海から現れブラフマとヴィシュヌがこのリンガを調べたところ、突然、輪が爆発しその奥深くに究極の創造神シヴァが登場!2神は「一番強いのはシヴァ」と認めざるをえなかったといいます。

シヴァの頭の中にガンジス河?

天上界のガンジス河を地上に持って行こうとした時に、地上にそのまま落とすと大地がブッこわれるという事で、受け止められるのはシヴァしかいない!と、お願いしOKがでたのですが、ガンジスの女神は心の中で「シヴァじゃ私を受け止められない」とものすごい勢いでシヴァの頭上に下りたのです。

逆にその話を知ったシバは怒って髪の毛の中に閉じ込めてしまいます。シヴァの頭をよくみると水がピューっと出てます。このピューはガンジス河です。このガンジス河が神格化されガンガー女神とされています。(サラスヴァティー、ラクシュミーと並ぶ三大美人女神)です。

シヴァ神の頭の中にいるガンガー女神
シヴァ神の頭の中にいるガンガー女神。ガンジス河が神格化された三大美女神の1人ガンガー女神です。

大昔は偉くなかったシヴァ?

「リグ・ヴェーダ」に出てくる下級神「ルドラ」が(現在のシヴァの原型とされています。ルドラが「原シヴァ」といわれる古代の豊穣神の特徴を吸収し成長していったといわれています。

ヨーガ行者の座位を保ち、動物や植物を伴う「原シヴァ」像は、前1500年以前のインダス文明までさまのぼると言われています。(実はガネーシャも「鼻の大きな子供」として出ているという説もあります。)もう色んな話がゴチャゴチャです。

シヴァと「3」

シヴァにとって「3」という数は重要で、持ち物の「三叉戟」。額の白い三本の線。トリムールティ(ダッタートレーヤー・三位一体。又は「再生」「破壊」「現世」を表す。)や第3の目(パールヴァティ又は聖仙が目を隠し、この世が真っ暗になり助けを求められ作られた目)等など色んなところに「3」が出てきます。

シヴァに関しても様々な言い伝えがあります。乳海撹拌の時、大蛇ヴァースキーが疲れて毒を吐き全ての世界が破壊される…という時に シヴァ登場!
シヴァは毒を全て飲み干します。そして世の中は破壊されずに助かります。そのおかげで、シヴァは喉が青くなり「喉の青き者」という名前も持っています。
シヴァ神の体は青く描かれますが本当は黒色という話もあります。黒は不浄の意味があり青色にされています。

シヴァ神とその家族(シヴァファミリー)

シヴァ神の家族をシヴァファミリーといいます。妻のパールヴァティ。兄のスカンダ(カールティケーヤ)そして有名なガネーシャの4人家族です。

シヴァファミリーのイラスト
シヴァファミリーのイラスト。左からガネーシャ、シヴァ、パールヴァティ、スカンダ
10~11世紀のシヴァファミリー
10~11世紀のシヴァファミリー。年代的にも貴重ですが。中央はスカンダです。

シヴァファミリーのブロンズ像(10~11世紀)左がシヴァ、右がパールヴァティ真ん中がカールティケーヤ。最近の多くのシヴァファミリーはシヴァ、パールヴァティ、ガネーシャのイラストや置物が多いので貴重です!

インド神様の説明はこちらから

0 件のコメント :

コメントを投稿