夏目漱石「美人描写 硝子戸の中 二十五


硝子戸の中(大塚楠緒)

日蔭町の寄席の前まで来た私は、
突然一台の幌俥に出合った。
私と俥の間には何の隔りもなかったので、
私は遠く からその中に乗っている人の女だという事に気がついた。
まだセルロイドの窓などの できない時分だから、
車上の人は遠くからその白い顔を私に見せていたのである。

私の眼にはその白い顔が大変美しく映った。
私は雨の中を歩きながらじっとその人の姿に見惚れていた。
同時にこれは芸者だろうという推察が、
ほとんど事実 のように、私の心に働らきかけた。

すると俥が私の一間ばかり前へ来た時、
突然私の 見ていた美しい人が、
鄭寧な会釈を私にして通り過ぎた。
私は微笑に伴なうその挨拶とともに、
相手が、大塚楠緒さんであった事に、始めて気がついた。

次に会ったのはそれから幾日目だったろうか、
楠緒さんが 私に、
「この間は失礼しました」と云ったので、
私は私のありのままを話す気になった。
「実はどこの美くしい方かと思って見ていました。
芸者じゃないかしらとも 考えたのです」

その時楠緒さんが何と答えたか、
私はたしかに覚えていないけれども、
楠緒さんはち っとも顔を赧らめなかった。

それから不愉快な表情も見せなかった。
私の言葉 をただそのままに受け取ったらしく思われた。





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ボツネタをそのまま。

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1 件のコメント :

  1. -

    先日、雰囲気イケメンのアレを見てたのです。
    ヘタクソやったけどイラストも描いていて分りやすかったです。

    ほほーなるふぉど、服装を少しナニして
    サンダルをブーツにシテ、めがねとって
    眉毛整えて、髪をアレして・・・

    イラストですが、ほー確かにイケメンになってルナーと。


    あーそういえば、そういう人おるなーと。


    よっし、天才雰囲気イケメン紳士で行こうじゃないか!とりあえず!


    あ、デブは死ぬ気で痩せろ!と書いてました。



    で、昨日?

    近所のアレに行ったのですが
    今までカワイッコちゃんと思っていた子が
    レジでナニシテル間、ボーーーと見てると

    アレ?思ってたよりカワイッコちゃんで無いなーと
    笑顔とかテキパキとか丁寧さとか化粧とか髪型とか
    そういうのが全部アレシテ カワイッコちゃんやったのか

    なるほど、その子は雰囲気カワイッコちゃんやったのかー
    と思いました。

    まー雰囲気が付くか付かないかだけで
    カワイッコちゃんはカワイッコちゃんなんですけどねー


    -

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