友とも言うとも。



【あたり屋バナシ】
引越しから1日か2日後、沖中からボクの引越しを聞いた
外島(仮名)と虎岡(仮名)が酒一升とアテを持ってやってきた。
スゲー部屋やなーとニヤニヤとオドロキが混ざった顔してた。
(汚くはなかった、狭かったんで。)

まー、のもーと早速スルメとか柿ピーとかアテにのみだした。
学校の事、ツレの事、女の事とかしょーもない事を
ネタにアテにワイワイガヤガヤ飲んだ。
酒の追加を近所の酒屋に何回か行った。

深夜になり、なんも無い部屋でグダグダ喋ってるんに飽きた頃
外島が引越し祝いにくれたエロ漫画を読み始めた。
男と女を一人二役で。感情こめながら・・

男「ふふふ、君のあそ・・・(略)」(エロ部長風に)
女「あっ ぶ、部長・やめ・・・(略)」(恥じらいのOL風に)

かなり酔ってたんか、深夜によくある、何ゆーてもオモロイ症候群になったんか
3人でアホみたいに笑った。まじで腹筋きれそーなくらいわろた。
で、なぜか笑う度に3人揃って、背中から倒れ両手を畳にぶつける
「柔道の受身」みたいナンをした。もー何回もした。

外島の愛の朗読と柔道の受身は延々続き、
いつの間にか酔いと疲れで爆睡してしまった・・・

・・・頭の中で「ドンドン」と音がした。やたら「ドンドン」が続いた。
今度は「ドンドン」に「おいおい」が加わった
「ドンドン」「おいおい」「ドンドン」「おいおい」
しかも体が揺れだした・・・

外島の「おいおい、セバ山(仮名・本人)」やった。・・目が覚めた、夢やった。
ドンドン「セバ山 なんか呼んどるぞ」ドンドン・・・

ドンドン「セバ山さん!」ドンドン「セバ山さん!」
二日酔いのフラフラ脳ミソで入口を開けると
「部屋を移ってもらいますから」管理人のおばちゃんやった。
いきなりやった。しかもスゴイ事言った。で、かなり怒ってた。

ぢつは、管理人のおばちゃんの部屋はボクの部屋の真下で
昨晩の「柔道の受身」と「バカ笑い」で全く眠れんかったらしい。

「ちょっとコッチ」
初対面の時のニコニコとは全く違う口調で、
次に移る部屋まで連行された。

部屋に行く途中、おばちゃんは喋りまくった。
1週間以内に部屋を移る事!
女の子はゼッタイに泊まらせてはいけない事!
このアパートには色々ルールがあるという事!
ココだけでなく社会にも色々ルールがあるという事!
その他、諸々、説教を交えながらおばちゃんは喋りまくった。

次に移る部屋は、今の部屋の対角線上にある角部屋やった。
いわゆる、このアパートの一番奥で、管理人のおばちゃんから
一番離れた部屋やった。
ふと入口の扉の上に目をやると幅10cmくらいのボロイ木に
マジックで「14」と書いて貼ってあった。ん?14?

もとの部屋に戻り扉の上を見るとコッチは「13」と書いてた。
今まで気付かんかったけど、あー13号室かー、
で次の部屋は14号かぁー!?やったーー!心の中で叫んだ。

おばちゃんには「すみません」とペコペコしながらも
ボクは14号室の事実を知り、何か運命的なものを感じた。
バッハの部屋や!まさに「夢と希望と未来と運命」の部屋やと。
よぉーし、引越しやーー!夢に向かって引越しやっ!!

・・・この日から、おばちゃんの中でボクに対するイメージと対応が
「勉強」から「あほ」に変わり

ボクの中で管理人のおばちゃんから1階のオバハンになった。
(今で言うギャクギレ)


※ちなみに、外島の愛の朗読に感化されたんか、
大学卒業の何年か後、虎岡はベーシストから
売れない舞台俳優になってしまった。(ココ7.8年、音沙汰なし)

【ねためも】
ヒロシさん、ヤンキー女子高生
庭のおジーちゃんのスキヤキ
恐的隣人
宿命の大失恋
ロワイヤル(仮名)
深夜のアリ男
はじめての逆ナン

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